悠冴紀

2016年5月9日

嵐の訪れ

狂風にうねる褐色の巨人群
 

 
地表に砕け散る鬼神の涙
 

 
モスグリーンの空には
 

 
世界を切り裂く白色の竜
 

 

 
その叫びは天地を揺さぶり
 

 
我等人類の深淵より
 

 
原始の心を呼び覚ます
 

 

 
絶え間ない動きとリズム
 

 
太古から続く生命のチューン
 

 

 
石化していた我等の魂に
 

 
地球の鼓動を思い出させる
 

 

 
変わらぬリズムで
 

 
変わらぬ心で

**************


 

 
※1992年(15歳当時)の作品。
 

 
私は幼少の頃から嵐が好きな変わり者で、台風の時には喜んで外に出て、玄関先で延々と空を眺めたり、雷鳴の音楽的な躍動に酔いしれたりして楽しんでいました。『嵐の訪れ』なんて言うと、何かよくないイメージで捉えられがちですが、私がこの詩を書いたのは、嵐を歓迎する思いからです。
 

 

 
因みに、冒頭の“褐色の巨人群”というのは、林立する木々のことを指しています。“鬼神の涙”は雨のこと。“白色の竜”は稲妻を表現したものです。
 

 

 

 
注)私の作品を一部でも引用・転載する場合は、必ず『悠冴紀作』と明記してください。
 

 
  自分の作品であるかのように公開するのは、著作権の侵害に当たります m(_ _)m

#自然 #詩

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