悠冴紀
2019年3月14日
シーザー
象牙色の尾で光を集め
野を吹き巡る風となり
君はどこへ向かうのか
空に近い あの山の頂へ
町を見渡す あの丘の上へ
二人で通った あの秘密の場所へ
どこへ行こうと 私には分かる
君の行く先々に プラチナの陽だまり
シーザー
強く 眩しく 勇ましく
囲いの檻に収まりきらない 君は太陽の子
プラチナの光に包まれて 野を駆け巡る君は疾風
どこへ行こうと 私には分かる
プラチナの光を 追いかけよう
君はいつでも 光の中
私達の旅に終わりはない
※2003年(26歳当時)の作品。
本作に登場してくる〝シーザー〟は、以前UPした詩「コトバの芸術」の冒頭と同じで、私が以前飼っていたゴールデン・レトリバーの名前です。
残念ながら2001年の夏、シーザーは私を独りこの世に残して先立ってしまいましたが、私の瞼の裏には鮮やかに生前の姿が焼き付いていて、心は今もシーザーと共にあります。
以前UPした「FUTURE」という詩でも表現しているように、私は過去を単に忘却することを『前向き』とは見なさず、むしろ過去の軌跡や爪痕と向き合い、吸収できるものをしっかり吸収した上で前進することこそ『前向き』だと考える人間なので、去りし者を忘れるつもりは更々ありません。
記憶は宝。一生大事に携えていこうと思っています。自分自身の詩作品を思い出アルバムの代わりにして。
同じ愛犬ネタ繋がりで、
この詩に近い観点が窺える過去作品はこちら⇒「不死鳥~フェニックス」
注)私の言葉を一部でも引用・転載する場合は、必ず『悠冴紀著』と明記してください。
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