悠冴紀

2018年6月15日

詩『真 実』

最終更新: 2023年2月24日

真実とは

ただそこにあるもの
 

 
誰も守りはしないし
 
誰の味方もしない
 

 
そう
 
先人たちの言葉通り
 
真実とは残酷なもの
 

 
だが知りたくなかったとは思わない
 
それらは明日の礎になる
 
いつでも私に知恵をくれた
 

 
人間の判断を狂わせるのは
 
期待通りの優しい嘘
 

 
想定外の残酷な真実は
 
人を突き放しつつも

成長させる
 

 
向き合えない者はデタラメに堕ち
 
いつの日か
 
手にした全てがニセモノだと知るだろう
 

 
向き合う者は希望を失くしつつも
 
いつの日か
 
ホンモノだけが残された人生を愛するだろう
 


 
まやかしの虹など要らない
 
気のきいた夢も要らない


 
私が求めるのは
 
誰にも媚びない剥き出しの真実のみ
 

 
薄っぺらに色づいた上澄み液の下から
 
濁った濃厚な沈殿物を抽出する
 

 
何の甘い期待も抱かず
 
何の願望にも惑わされず
 
あるがままに

ただ見据えて……
 

 
闇に埋もれた事象に目を光らせ
 
見えざる本質を暴き出す


 
そして書くのが私の役目
 

 
己を強くする機会をくれた

人好きのしない真実に口づけを
 

 
己を磨く機会をくれた

情け知らずな真実に敬意を
 

 
今も これからも いつまでも
 
私は向き合うのをやめないだろう

***********

※2013年8月の作品
 

 

 

 
注)この作品を一部でも引用・転載する場合は、必ず「詩『真実(悠冴紀作)』より」と明記してください。
 

 
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