悠冴紀

2014年9月1日

あなたの中のモンスター

第二のナチスはどこにいる

名前を違えてそこここに
 

 

 
テロリスト予備軍はどこにいる
 

 
隣の家に あなたの中に
 

 

 
失敗続きの人生を
 

 
個人単位の絶望のすべてを
 

 
社会や他人のせいにして楽になろうとする弱さ
 

 

 
内側の怪物を認めたくないために
 

 
外側にいる誰かを攻撃する
 

 

 
「愛」を理由に掲げ
 

 
“愛情表現”と称する支配と暴力
 

 
「教育」を理由に掲げ
 

 
“しつけ”と称する弾圧と洗脳
 

 
「神の声」を理由に掲げ
 

 
“聖戦”と称する略奪と殺戮
 

 

 

 
聞こえのいい響きを持つ自己正当化の言い訳が
 

 
都合のいい逃げ道を与え
 

 
醜い欲求に点火する
 

 

 
追う怪物に 追われる怪物
 

 
学ばない人々に 繰り返す歴史
 

 
過去の被害者さえ 未来は加害者
 

 

 

 
鏡の自分と目を合わせたとき
 

 
私は独り、目が醒めた
 

 

 
逃げるのでなく
 

 
すり替えるのでなく  
 

 
欺瞞の群れを永遠に去った
 

 

 
個々の責任を知る己自身として
 

 
鏡に度々問いかけながら
 

 

 
**********


 

 
※2005年(28歳)の作品。
 

 

 
今回はかなり刺々しいダークな作品です m(_ _)m 制作当初は、ちょうど当時 世を震撼させていた複数のテロ事件 (←前年にはスペインで、2005年にはイギリスで)を受けて、「あなたの中のアルカイダ」というあからさまなタイトルにしていたのですが、これではあまりにピンポイントすぎて政治的な印象を与えかねないし、どこかアメリカ的な観点だとも誤解されかねないと思い、改題しました。
 

 

 
テロ集団はアルカイダだけではないし、どこかの国の元一般民をテロリストたらしめる原因・引き金も一つではない。歴史を振り返っても、勝てば官軍、負ければ賊軍ってやつで、何をテロと呼び何を革命・世直しと呼ぶかといった区別自体、各国の都合や視点次第で胡散臭いところがあるw ピンポイントで一つの枠組み内の人々を選んで叩くのは、かえって話が狭義で表面的になってしまうでしょう。
 

 

 
そんなわけで、問題の本質から離れてしまわないよう、普遍的な事柄として表現すべく、これまでにも数々存在した他の複数のテロの例や、また逆に、怪物化した官憲の横暴の例なども含めて、今のタイトルに改めたわけです、ハイ。


 

 

 
注)私の作品を一部でも引用・転載する場合は、必ず『悠冴紀作』と明記してください。
 

 
  自分の作品であるかのように公開するのは、著作権の侵害に当たります m(_ _)m



 

 
※ところで、私がここにUPしている悪魔絵っぽい不気味な挿絵の数々が、気になって仕方がない人も多いのでは?A^_^;) これらはすべて、私が大学時代にハマリまくっていたスペインのシュルレアリスト、レメディオス・バロの作品です。ダリより更にもう一段奇怪で謎めいた作風ですよね。呪わしいというか何というか・・・ 💦 中には稀に、メルヘンチックでかわいい感じの作品もあるにはあるのですが、やっぱりどこか共通の影というか闇があって、おどろおどろしい (@_@;) 彼女の生きた時代の狂気、人間の内側に潜むおどろおどろしい側面が、形を変えて風刺されているのでしょうね、きっと(~_~;)

#退廃 #社会 #人間 #詩

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