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悠冴紀のコトバの欠片
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詩 『鬼~母なる地球の連環計』
人類の繁栄と 夢の果て 止め処ない人口爆発とグローバル化 広がるところまで広がれば いずれ自壊して収縮の時を迎える 目に見えていたはずのこと これはいわゆる揺り戻しだ よもやこんな形でとは知り得なかったが 予感と覚悟は常にあった これ以上はないところまで伸びきった末...

悠冴紀
2020年3月29日


詩『鮫々のように』
暗く 冷たい 水の中で 独り静かに佇んでいたい 冷ややかな眼差しを持つ あの鮫々のように 笑うことなく 馴れ合うことなく 誰も寄り付かないほどの深みに溺れて…… 差し伸べる手など 必要ない 人々が救いと信じるものが 私には死だ 現に私は 日に日に崩れ 朽ち果てて...
悠冴紀
2019年6月8日


詩『LYCORIS』
私はずっと見つめていた 土の下に眠る様 僅かに芽を出し 地上の光に触れる様 私はいつでも見つめている 繊細な花びらが放射状に広がる様 その一枚一枚が萎れていく様 記憶に焼きつけ フィルムに焼きつけ 枯れ姿までも眺めている その根に命の宿る限り あらゆる瞬間に美を覚えて ...

悠冴紀
2019年1月7日


詩『PHOENIX』
君は不死鳥になった
私の中で 永遠に消えない
君がお別れを言いに来たとき
あの場に私がいなかったのは
このためかもしれないと 今は思う
君の命に翼が生えて
空高く飛び立つのを見た気がする
君を愛した者たちの涙をあわせ
空が水の翼を編み上げた
君は不死鳥
濁りを知らない柔ら
悠冴紀
2018年10月5日


詩『γρύψ(グリュプス)』
ありがとう
さようなら
今おもむろに この大地を離れ
いつかのように羽ばたいていくから
どうか皆 私を手放して
あの懐かしい アッシュブルーの空
何者をも囲わない 私なりの故郷へ
記憶とともに 解き放って――
誰かを受け入れる腕ばかりが成長し
いつの間にか 翼が退化してしま

悠冴紀
2018年4月2日
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