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  • 悠冴紀

白銀の瞳


Image by Paul Walden

夜の深みの彼方より 真っ直ぐに地球を見下ろす宇宙の眼 その白銀の眼差しに洗われて 夜の世界が今 輪郭を露わにする 混沌の闇の底から モノトーンの街並みが浮かび上がる 主張を成さず鏡となり 陽を映して天地を見通す 流れゆく星までもが その超然たる姿に感銘を受けたように 夜空にはっきりと軌跡を残していく 地表を取り巻く大気までもが 圧倒されたように沈黙を保っている 白銀の眼差しに洗われて──

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※1995年(18歳当時)の作品。 注)この作品を一部でも引用・転載する場合は、必ず『悠冴紀作「白銀の瞳」より』と明記して

 ください。自分の作品であるかのように公開するのは、著作権の侵害に当たります m(_ _)m


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心の裏切り

鏡の奥に堪えがたい醜さを覚る瞬間(とき) それは誰かを裏切る瞬間(とき) 心の中で誰かを裏切るその瞬間(しゅんかん) 口から発せられない裏切りは 潔く喧嘩に発展することはない 裁かれぬままに人知れず 湿気と重々しさを落としていく 自分だけが知っている心の裏切り その深い足跡は やがて乾いて石となり 硬くその姿を保ち続ける ひび割れることなく 風化することなく 永久

水の声

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