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悠冴紀のコトバの欠片
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詩『PHOENIX』
君は不死鳥になった
私の中で 永遠に消えない
君がお別れを言いに来たとき
あの場に私がいなかったのは
このためかもしれないと 今は思う
君の命に翼が生えて
空高く飛び立つのを見た気がする
君を愛した者たちの涙をあわせ
空が水の翼を編み上げた
君は不死鳥
濁りを知らない柔ら
悠冴紀
2018年10月5日


詩『γρύψ(グリュプス)』
ありがとう
さようなら
今おもむろに この大地を離れ
いつかのように羽ばたいていくから
どうか皆 私を手放して
あの懐かしい アッシュブルーの空
何者をも囲わない 私なりの故郷へ
記憶とともに 解き放って――
誰かを受け入れる腕ばかりが成長し
いつの間にか 翼が退化してしま

悠冴紀
2018年4月2日


詩『氷の道標』
蒼白い雪を被った鋭い針葉樹林を
私は手探りで駆けていく
どこから来たのか
どこに向かっていたのか
時折わからなくなる自分がいる
今はそれでも
走るほかない
凍てついた樹海の奥から
狼の遠吠えが聞こえてくる
あれは血に飢えた冬の捕食者
かつての私に 似た奴らだ
目印もない

悠冴紀
2017年12月15日


詩『ZERO』
雪が降り積もる 枝から舞い落ちた枯れ葉の上に すべてを無に返す白い雪が この終わりは 旅の始まり 束の間の平穏に中断された 忘れかけていた歩みの再開 遠くへ行くよ 本来の私に相応しい彼方 どこでもない枠組みの外側へ 築き上げたものを自ら打ち壊し あるべき道のため...

悠冴紀
2016年10月1日


詩『オーロラの宿る場所』
傷を秘めてきた君に 贈りたいものがある 心の一端を見せてくれたお礼に オーロラを贈ろう そう、夜の終わりを告げる あの謎めいた曙の光だ 虹ほど馴染みやすくはないけれど 恐れる必要は少しもない あれは空の贈り物 そして夜を耐えた者の中に 色彩豊かに宿るもの ...

悠冴紀
2016年2月29日
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