悠冴紀2020年3月29日詩 『鬼~母なる地球の連環計』人類の繁栄と 夢の果て 止め処ない人口爆発とグローバル化 広がるところまで広がれば いずれ自壊して収縮の時を迎える 目に見えていたはずのこと これはいわゆる揺り戻しだ よもやこんな形でとは知り得なかったが 予感と覚悟は常にあった これ以上はないところまで伸びきった末...
悠冴紀2019年6月8日詩『鮫々のように』暗く 冷たい 水の中で 独り静かに佇んでいたい 冷ややかな眼差しを持つ あの鮫々のように 笑うことなく 馴れ合うことなく 誰も寄り付かないほどの深みに溺れて…… 差し伸べる手など 必要ない 人々が救いと信じるものが 私には死だ 現に私は 日に日に崩れ 朽ち果てて...
悠冴紀2018年9月14日詩『黒い雨』空が泣いている 深く深く 傷を負った空が 黒い涙を頭上から散らし 夜の大地に染みていく 雨が降る 見える者にのみ見える泥づいた黒さで 鋭い雨が降りしきる 警告のように 罰のように 汚れた大地を打ち付けて 何が空を切り裂いたのか 昨日の不実か 明日の残酷さか……
悠冴紀2018年6月15日詩『真 実』真実とは ただそこにあるもの 誰も守りはしないし 誰の味方もしない そう 先人たちの言葉通り 真実とは残酷なもの だが知りたくなかったとは思わない それらは明日の礎になる いつでも私に知恵をくれた 人間の判断を狂わせるのは 期待通りの優しい嘘 想定外の残酷な真実は...