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  • 悠冴紀

本づくり(幻のお蔵入り作品!)


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さて、今回はタイトル通り、本づくりのお話です。 それも、出版社任せに印刷会社を通して製本してもらえるようになった便利な現在とは違い、私がまだ手作業で本を作っていた学生時代の懐かし~い話です A^_^; まずは上の2枚の画像をご覧ください▲ これらはまさに、私が1から自分で作成した お手製の本です。 もちろん、趣味の範囲で仕上げた素人作品というか、世には出回っていない非売品ですよw (※ちなみにご覧の通り、当時は陸那紫亜 Shia Rikunaという筆名を使っていました。)

ある時期ちょっとしたブームがあって、世に製本キットなるものが多く出回るようになっていましたが、私がこれらを作成し始めたのは、そんなものすら店頭では見かけなかった頃のこと。材料を集めるのですら、一所では済ませられないので、それはそれは大変な手間でした(ーー;) まず、近所のコンビニに足繁く通ってン百枚もの原稿をコピーし、A4サイズの用紙を自分の手でせっせと半分に折り曲げる。更にはそれらの端を一枚一枚両面テープで張り合わせて束ねた上で、近所の和紙専門店(←当時は京都住まいだった)で買ってきた丈夫な紙を、折りたたんだときちょうど本の形になるよう切り取って、表紙を作成。あとはインターネット上で 物語のイメージに合った画像を見つけてきて加工し、本のタイトルなどを入力して印刷。そして最後に、限られた文具店でしか入手できない大きな透明シールで全体をフィルム・コーティングして、ようやく完成! 自宅にあった手持ちの本を、バラバラにしない程度に分解して構造を調べながら、見様見真似で作ってみたんですよ A^_^; 言うまでもなく、めちゃめちゃ時間がかかりました(滝汗) あんな根気と集中力、一体どこにあったのだか、自分でも不思議です(゚Д゚;) あの時間をもっと本文の執筆だけに当てていれば、この作品は中途に終わらず 最後まで仕上げることができていたんじゃないか、とも思うのですが、今更あとの祭りですw(←全10巻ぐらいにわたる続きものの長編小説で、5冊目の途中ぐらいまでは書き上げていたんですが、残念ながら、未完成のまま放置されることとなりました(^^;)

気になるその内容はというと、こんな感じです▼

政情不安で緊迫した状況の下、革命や抵抗運動に翻弄され、敵味方に引き裂かれていく人々の矛盾に満ち溢れた姿や、衝突の様を描いた「闘い」の物語です。(※かなりアンチヒロイズム色の強い、いかにも私らしい捻りのきいた一作ですよ f^_^;) ただし、それを単なる戦闘ものではなく、どんでん返しや視点の切り替えで二転三転する複雑な展開に乗せて、独特のミステリー・タッチで描写しているところが、大きな特徴と言えます。探偵などの謎解き役を中心においた推理小説とは違い、「いつ、誰が、どうやって」とアリバイやトリックや犯人探しをしたりはしない。ただただ懸命に生き抜き、明日を掴み取ろうとしている個性豊かな登場人物たちの間で、「ま、まさか! 何故あの人がっ!?(゚Д゚;)」「一体何があんな人をこんな行為に駆り立てたんだ!?? 一体何を思って???」といったところが最大の謎を成す心理ミステリー。

──ん? 現在進行形のキナ臭い攻防戦の只中で、 目まぐるしく繰り広げられるミステリー・タッチの小説って……??? そう! 2012年に出版した私の作品PHASEに近いニュアンスがありますよね、この話。 驚くことなかれ。 ぶっちゃけ、この幻の過去作品『天の傷跡』こそが、 後の『PHASE』を産み出した原点なのです!!<^!^>

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長い間ずっと趣味の範囲で続けてきた分筆活動の延長で、出版社を通してちゃんと著作権を確立したい、と望むようになってからは、「連載小説さながらのこんな長~い作品では、文壇デビューは望めない。連載ものを任されるのは、それなりにキャリアのある一部の著名作家のみなのだから、私のような名もなき新米は、まずは読み切り型の短い作品を書き上げなくては!」と思うようになり、不本意ながら、この作品の執筆はピタリと止めてしまいました( 一 一) でも一方で、前々からこの作品の熱烈なファンだった親友に向けて、密かにこうも宣言していました。 「今は出版社向けに、私には不得手な短い作品(←処女作『クルイロ』でも私には短編のようなもの(^^;))を書けるように努めているところで、この作品の執筆を一時的に中断しているけど、本当に書きたい一番の作品は、あくまでこの『天の傷跡』。世に出すか否かはともかくとして、いつの日か必ずこの作品の執筆に戻ってきて、最後まで完成させる。それこそが最終目標なんだから」と。 宣言したことの殆どを、何年かかってでも実現してきた有言実行型の私には珍しく、この作品については結局、今後も再開予定のない過去作品としてお蔵入りさせてしまいましたが(汗)、この作品から、いいとこ取りで持ち味だけを抽出して、一見まるで異なる新しいストーリーに投影したのが『PHASE』なのだから、ある意味では、私は言葉通りに目標を果たしたのかもしれません。連載ものとは言えないまでも、登場人物たちのその後を描いたスピンオフ作品まで出そうとしている今や、幻の過去作品『天の傷跡』を未完成のまま終えてしまったことに、悔いもありません。世に出して恥ずかしくない進化形として、『PHASE』シリーズがあるのだから。(←早くも勝手に「シリーズ」と言い張っている A^_^;)

 

……え? 『天の傷跡』には、「世に出して恥ずかしい側面」があったのかって? はい、あったんですよ、残念ながらw まずこの作品は、現在の私の目から見ると、かなり幼い印象があります。 それもそのはず。この物語を思いついたのは、 なんと私がまだ小学生の頃だったのですから!!(^▽^;)\(◎o◎)/ 閃きの源は、当時私が繰り返し度々見ていた夢です。 悪夢、と言った方がいいでしょうか……(汗) 今でこそ、ファンタジー系の現実離れした夢や、ホラー映画みたいな不気味な夢を一切見なくなった私ですが、幼少時には、それはそれは想像力豊かな夢を色々見ていたものですA^_^; 今振り返ると、どれもこれも失笑してしまうようなバカげた夢ばかりで、あとからディテールを思い出すこともできない曖昧で一貫性のないヴィジョンの羅列なのですが、中に一つだけ、目が覚めたあとも鮮烈なイメージで脳裏に残り続けている、忘れがたい夢がありました。 その夢とは、廃校になった校舎らしき四~五階建ての広々とした建物の中で、アサルト・ライフルっぽいゴツい銃を持った物騒な連中に追い回される夢です(笑) 相手は大抵軍服姿だったので、シチュエーションとしては、おそらく市街戦の真っ只中。完全武装の彼等は、アジトにされがちな校舎に敵が潜んでいないかどうか、偵察しに来ていたのでしょう。私は物陰に身を隠しながら、どうにか見つからないよう努めるのですが、夢の途中で必ずバッタリと彼等に出くわしてしまいます。 そこで私の取った行動は……、 周りは何故か皆外国人で、言葉が通じるはずもないのに、「私は単なる非武装の地元住人で、あなた方の敵ではない」とか何とか、身振り手振りを添えて懸命に伝えようとしていたのです。更には、何が起きているんだか訳がわからない、誰かわかるように説明してくれないか、とか何とか、敵意のない困り果てたような顔つきで、とにかく会話を続けることで、物騒な連中の中にもどうにか人間臭い部分を見出せはしないかと、取り込む隙を伺っていました A^_^; そのときの焦りや緊張、思いがけず引き出された生存本能といったものが、あまりにリアルで生々しく、実体験との区別がつかないほどでした。まるで実際の記憶の一部であるかのような。。。(え? それは前世か来世の記憶??? すみません、そういうスピリチュアルな話は、面白そうだし説得力があるけど、私には専門外すぎてイメージできません:笑 m(_ _)m)

ですが、この夢が印象に残っている理由は、そういう感覚的な生々しさだけではありません。 実はこの夢、掟破りにも続きが見られたんですよ<^!^> 普通は、夢の中で、以前見た夢の内容なんて覚えているはずがないのに、

元のこの夢を踏まえた上で、私は何度か続きのストーリーを夢に見ていました。 あるときには、危うく撃ち合いに巻き込まれそうになっていて、弾丸の行き交う場所の間近で、私は独り息を殺して伏せていました。またあるときには、同じ建物の中で偶然出会った幼い少年を守ろうと、自分の身を楯にして後ろに隠しながら、出口を求めて逃げ惑っていました。果てには、「この前はトボけた演技で見逃してもらえたけど、今度見つかったら彼等に攻撃されるか、連行されてしまうかもしれない。もはやこっちも非武装のままではいられないw」と、そこらに倒れていた戦闘員の亡骸から武器弾薬を調達し、身を護るため密かに武装した上で、同じ立場の人たちと合流して脱出計画を話し合ったりしていました (^^;

もうそれだけで充分ストーリーが出来上がっていたというか、夢の世界でのシリーズ化、という感じでしたよw 空恐ろしい悪夢、というよりは、見る度にだんだん闘志がわいてきて、危機意識に洗われ予想以上の底力を発揮する自分がいる、という感じで、むしろエナジーをもらえたんですよね、おかしなことに(笑) そんな不可思議な闘いのヴィジョンの数々が、やがて私が『天の傷跡』を書く際のコアになったのです。こういうシチュエーションに、こんな背景事情や言い分を持ったこういう登場人物を当てはめてみたら、一体どう展開するだろうか……と想像を巡らせることで、改作・肉付けをして。 もちろん、ここ日本が舞台では、だいぶ時代を遡るか近未来設定にでもしないと、そういうシチュエーションには行き着かないし、かと言って、紛争中の余所の国を舞台にものを書くには、当時の私は無学すぎた。そこで私は、自分の夢にピタリと当てはまる舞台設定のため、この物語を完全なSF設定にしてしまいましたA^_^; 背後にはけっこうずっしりとしたテーマや問いかけを用意していたので、書くに当たってリアリティが薄れないよう(←単なるスペクタクルと思われないよう)、超能力だの化け物だの死んでも生き返るだのといった都合いいファンタジーは一切抜きにしましたが、当時よく読んでいた科学雑誌『Newton』の宇宙物理学系の記事を参考に、大胆不敵なSF設定で強引に目標のシチュエーションに導いたのです。 確か、こんな感じです↓ 宇宙は無限というけれど、それなりに限りはあるし、一つではない。この世には泡のように無数の宇宙が存在していて、別の宇宙空間に、地球と同じような条件を満たしたそっくりな星があったとしても、不思議ではない。そんな学説の一つから着想を得て、別宇宙の地球似の惑星の、とある大国で起きた国家元首専用機の大事故(←後に暗殺事件と疑われる)が原因で、巨大な次元の歪み(穴?)が生じて、ワームホールのようなものでこちら側(=地球)の一部と繋がってしまう、という無理やりな設定です A^_^; 突如として行き来できるようになったあちら側の人たちとこちら側の人たちとで、それまでには例のない交流の機会を得るも、あちら側の世界はちょうど一触即発の不安定な時期。当然、巻き込まれていくわけですよ、大きな権力が絡む物騒な問題の数々と、壮絶な戦闘に。

── ああ、語ってしまった(滝汗) あな恥ずかしや~(^▽^;) 今になってこうして明かすと、本っ当に恥ずかしすぎる突飛な発想ですが、まあ、所詮は小学生時代に思い付いた話ですからねw 別にそんなことが現実に起こり得ると信じていたわけですらなく、「大事なのは、外枠よりも中身! 人間描写や精神の内的宇宙、そして正義というものの矛盾や闘いの無為などを、寓話として表現することで、何かの警告や歯止めを成すこと。そのためにやむを得なかった舞台設定の粗には、目をつむって読んでもらおう 」という雑な発想だったので、後々この作品の存在を世に知られないようお蔵入りさせる結果になったのも、今思えば当然です A^_^; 手渡しに読んでもらえる身近な知人友人だけを対象に、自己満足の範囲内でやりたい放題に書いた作品だったんですよ、ハイ (^▽^;)

💡 ここで恥ずかしついでに暴露してしまえば、実は当時私がハマっていたB級ドラマ『ヴィジター』の影響も、いくらかあると思います。最近になって現代的にリメイクされていましたが、私が見ていたのは小学生の頃のことですから、勿論オリジナルの旧いバージョンですよ。正直言って、リメイク版には作品に魂を感じられないというか、残るものがなさすぎる(汗) 映像やメイクや小道具はチャチくても、私個人的には、オリジナルVの方が遥かにずっと内容が濃かったな、と思います(ーー;) 登場人物たちがもっと人間臭くて入り込みやすかったし、要所要所でナチス・ドイツの侵略の歴史なんかを彷彿とさせる描写があったり、そういうことの体験者の発言が物語に泥臭いリアリティを与えていたり。。。 たぶん、当時目にしたのが今出回っているリメイク版だったら、私は特に影響を受けることなく見過ごしてしまっていたことでせうw あっ、そうそう、影響を受けたと言えば、同じく小学生時代に見ていた『NHK人形劇三国志』の影響も大いにあります。勉強嫌いで歴史に疎い無知な幼児だった当時の私も、あれには夢中になりましたからねー A^_^; 怖いくらいに感情の機微が表情にあらわれる人形たちを通して、あまりに人間臭く魅力的に語られる、文学と史実と芸術の融合。子供ながらに、自分の作品において目指すところは、こういう世界観や人間模様だな~と思っていました。

(※そう言えば、このあたりの裏話をして聞かせたら、親友に田中芳樹氏の『銀河英雄伝説』を薦められたのを覚えています。共通点が多いと言いたかったんでしょうね。内容のみならず、作品を形にするまでの経緯や動機、連載ものを手掛けることに関する観点などに、何かと近いものがある、と。 ……って、こんなことを言ったら、田中氏に怒られるか、鼻で笑われるでしょうけど A^_^;)

ところで、先ほどから日記上にチラホラとUPしている

イラストの数々が、気になっている人も多いのではありませんか?

実は問題の過去作品『天の傷跡』には、 更にもっと驚きの裏話があるんです( ̄ー+ ̄)♪ なななんと! この作品は当初、 小説ではなく漫画として描き始めたものだったのです!!

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ま、漫画といっても、 普通のノートに鉛筆書きで絵や台詞を描いていっただけのチャチなものですから、

ご覧の通り、殆どが横筋の入った みすぼらしい状態でしか残っていないんですけどねw m(_ _)m ……え??? それ以前の問題として、画才がひどすぎて絶望的だって??? ご安心を!! ちゃんと自覚しています!(笑) だから漫画家なんて目指しもしなかったんですよw

文学通の親友との出会いで、数年後には文章だけの表現、小説へと1から書き直していきましたしね。 画風を見る限りでは、 当時友人に薦められて読んでいた樹なつみさんのOZや、吉田秋生さんのバナナ・フィッシュ

それから北条司さんの『シティ・ハンター』あたりの影響があるような気がします。 ……って、こんなところで名前を挙げたら、 著名な漫画家の皆さんに怒られますね、ハハハハ (^▽^;) m(_ _)m でもまあ、素人が有名どころの絵を真似ることはよくあること。 しかも当時は子供だったのだから、ご容赦くださいな(^^;)

と言っても、私のイラストって、 どちらかというと、誰かの画風の真似というより、映画俳優や歌手やスケーターなど、実在の人物をイメージしながら描いた印象の方が強いんですよね。この作品、確か中学生頃までずっと漫画版で描いていたんですが、当時旬だったシャロン・ストーンとかデミ・ムーアとかブリジット・フォンダとかエリザベス・シューとか。。。(……なんて言ったら、今度は俳優の皆さんに怒られるか:苦笑 ) 後に自分でせっせと形にしたお手製の本の中でも、登場人物たちのイメージ・アーティストとして、ところどころにそういう人たちの写真を印刷し、勝手に挿絵に使っていたし f^_^; もし実写版を作るなら、是非この人たちに登場してもらいたいな~と、叶わぬ妄想に浸っていたのでせう(笑) ちなみに、この日記上で最初に載せた写真、黒い背景色の本(=『天の傷跡 第三巻』)に印刷している女性は、歌手のポーラ・コールです。(▼この人。左下の写真は、雑誌の切り抜きをスキャナーで読み込んだものなので、紙の裏側が透けてしまっていますが:汗 )

 

登場人物のイメージに合った人を探し、挿絵にできそうな画像を集めるのも楽しかったけど、逆にこうして写真や何かで誰かの姿を見ているだけで、そこから新たな登場人物のイメージが浮かんで、思わぬ閃きの種になることもあるんですよねー。2007年に出版したmy作品クルイロなんかも、ぶっちゃけロシアの(元)サッカー選手アレクサンドル・モストボイ氏を見ていて閃いた作品だし。ただ、『PHASE』では、登場人物たちの容姿を細かく明確に描写している割に、そういう実在のモデルとかは一切いなくて、どこからともなく浮かび上がって独りでに成長していったキャラばかりなんですが。 さて、それではそろそろ、 私の下手くそな素人画像を寄せ集めた動画風clipを披露して、 今回の日記の締めくくりといたしませう( ^^) _📷 ささ、どうぞ遠慮なくプッと吹いてやってくだされ▼ 恥もここまで大っぴらにかいてしまえば、多少上塗りしたって 大差ありませんからw (←もはや完全に開き直っている(^^;))


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