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  • 悠冴紀

『JADE~表象のかなたに~』出版裏話


※この日記は、旧ブログにUPした過去の投稿のコピーです。

 『JADE~表象のかなたに~』の編集作業を進めている最中だった当時、スピンオフ作品の出版契約に漕ぎ着けた経緯や裏事情について語った上で、最後に少しだけ作品紹介もしております。是非ご覧ください▼

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【2015年9月15日の投稿】

『PHASE』を発表したとき、 「この作品をシリーズ化できるか否かは読者である皆さんの反響次第!」というようなことを言っていましたが、おかげ様で次の一作を出せることになりました!  皆々様に感謝!! 心よりお礼申し上げます(*^_^*)! 3作目以降も出せるかどうかは全く不明なので、残念ながら今の段階では「シリーズ化実現!」と豪語してしまうことはできませんが、それに一歩近付いたとは言えるでしょう☆彡 ところで、ちょっくら裏話です |д゚) 今回の出版契約、本当言うと、当初は別の作品に対して頂戴した話でしたA^_^; 出版社から「また当社で文庫本企画をやるので、あなたの新作を出しませんか?」と声がかかったとき、私の手元にはちょうどいいタイミングで複数の新作が控えていたので、その中から比較的に進みが早くて、すでに完成の目処が立っているものを一作見てもらいました。我ながら自信作だったこともあり、担当者の方から非常に高く評価していただけて、「是非この作品で行きましょう! 個人的にも続きが気になりますし!」と、半ばその方向で契約が固まりかけていたのですが、ふと気になったのが、同時進行で半分近く仕上がっていたスピンオフの存在でした。 『PHASE』で特に人気の高かった登場人物の一人を主人公に、本編から約一年半後の物語を描いているこのスピンオフ、はじめはちょっとしたファン・サービスのつもりで、一部の愛読者に向けたプライベート作品、という位置づけにとどめようと思っていました。でも本編を読んでくださった複数の人たちから、「あの作品、シリーズ化しないの?」とか「あの登場人物のその後の物語を読みたい!」といった意見・要望をいただき、一作こっきりで終えてしまうのがだんだんと勿体ない気がしてきたんです。そこに今回の出版契約の話が来たことで、「やっぱり、出せるものならスピンオフを出したい…(>_<)」と欲が出てきたわけです、ハイ f^_^; それも、スピンオフであるからには「いつかは本にしたい」ではなく、少しでも早く、なるべく本編の記憶が新しいうちに出した方がいい。内容的にも、かなりタイムリーな世界情勢が背景事情の部分に組み込んであったりして、この作品に限っては、「今を逃したら後がない!」という一作。 そのあたり、諸々のことを踏まえた上で、「今どの作品よりも優先して出すべきなのは、このスピンオフだ!」という結論に達し、半ば強引に作品変更を願い出て、今回はスピンオフを刊行させていただくことにしたんです。すでに途中まで編集作業を進めていた他の新作を取り下げてまで。 出版社側も、はじめは「あれっ? なんで急に?」と戸惑っておられるようでしたが、私が体当たり的に送り付けたスピンオフの原稿を実際に読んでみると、「確かにこの内容、この完成度なら行ける! 何よりも、素直に面白いっ(◎o◎)!!」というような反応で、担当者個人のツボにも入ったらしく、予想以上に大受けしていましたf^_^; そう。「絶賛」というよりは、「大受け」。ここがミソです(笑) 何がそんなにウケたのかは、読めばわかりますヨ、ふふっ( ̄ー+ ̄)♪ ←不敵な笑い(笑) まあそもそも、本編『PHASE』が文庫本企画で刊行されているので、後からスピンオフだけ単行本で出る、というのも何やら不自然な話……。出すならやっぱり、同じ文庫本企画に載せて出版した方がいいでしょう、というところで、企画部の上層部にも納得していただけた模様。 そんなわけで、紆余曲折ありましたが、 今は前作PHASEのスピンオフ作品の執筆に専念している、という次第です、ハイ。

ベルリンの街並み

……え? 内容? う~ん、刊行されるのは私が原稿を仕上げてから約半年後ぐらいになる(←本の装丁や各種メディアでの告知を含めて、出版社を通しての編集作業には時間がかかる:汗)ので、今からそこを明かすのはずいぶん気の早い話なんですが、ネタバレにならない範囲で端的に予告しておくと、こんな感じです▼ 物語はPHASE本編から約一年半後。 本編の要となっていた登場人物二人が、思いがけない再会を果たすところから始まります。主に東京を舞台に展開していた本編とは違い、スピンオフでは舞台をヨーロッパに移し、中欧東欧の複雑な歴史を踏まえた抒情的な風景の中で展開していきます。 前半は、あのPHASE本編の雰囲気からは想像もできないほど緩やかな流れで進んでいき、登場人物たちと一緒に海外旅行でもしているかのような気分を味わいながら、心地よく読んでいただけると思います。また、本編では常に「どうしたいか」よりも「どうすべきか」を優先し、機械のように冷徹に振る舞っていた人物の、意外な本音や人間臭い側面が見えてきたりもして、微笑ましいような驚きに満ちています。

しかーしっ!

書き手はあくまでこの私。 泥臭い掘り下げや鋭い切り口、既成の概念を覆す重厚な闇哲学等は、スピンオフでも健在です( ̄ー+ ̄)♪ ただし、それらが不思議と湿っぽさや重苦しさを伴わず、ドライなタッチでサラっと語られていくのがスピンオフ前半の特徴でもあり、読むに当たってしんどさはありません(b^ー゜) テーマ重視のどっっっしり!とした仕上がりだった本編に比べて、人間ドラマ重視のエンタメ仕上がりで、「登場人物たちのための物語」になっているところが、大きな違いなんです。きっと多数の読者が「この書き手、こんな描写もできたんか(◎_◎;)!?」と、いい意味で仰天することでせう(笑) それでは、気になる後半は……? 冴紀節全開のジェットコースターです(笑) 大どんでん返しに皮肉な現実、背後に浮かび上がるまさかの真相。。。 ──さて、  結末は本が仕上がってからのお楽しみ、ってなことで、  詳細ボカしまくりの曖昧な内容紹介でした~A^_^; m(_ _)m ※本編を知らない人でも読める書き方をしていますので、  スピンオフから入門して、あとで本編を読む、ということも可能ですよ。  ただ、スピンオフの端々に散りばめられた本編のあらましそれ自体が、ミステリー小説である本編のネタバレにもなりますので、より本格的にPHASEシリーズを楽しむためには、やはり本編から先に読んでいただくことをオススメしますA^_^;  本が無事世に放たれた暁には、皆さんも是非読んでみてくださいね(^_-)-☆


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