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  • 悠冴紀

嵐の訪れ


狂風にうねる褐色の巨人群 地表に砕け散る鬼神の涙 モスグリーンの空には 世界を切り裂く白色の竜 その叫びは天地を揺さぶり 我等人類の深淵より 原始の心を呼び覚ます 絶え間ない動きとリズム 太古から続く生命のチューン 石化していた我等の魂に 地球の鼓動を思い出させる 変わらぬリズムで 変わらぬ心で

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※1992年(15歳当時)の作品。 私は幼少の頃から嵐が好きな変わり者で、台風の時には喜んで外に出て、玄関先で延々と空を眺めたり、雷鳴の音楽的な躍動に酔いしれたりして楽しんでいました。『嵐の訪れ』なんて言うと、何かよくないイメージで捉えられがちですが、私がこの詩を書いたのは、嵐を歓迎する思いからです。 因みに、冒頭の“褐色の巨人群”というのは、林立する木々のことを指しています。“鬼神の涙”は雨のこと。“白色の竜”は稲妻を表現したものです。 注)私の作品を一部でも引用・転載する場合は、必ず『悠冴紀作』と明記してください。   自分の作品であるかのように公開するのは、著作権の侵害に当たります m(_ _)m


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鏡の奥に堪えがたい醜さを覚る瞬間(とき) それは誰かを裏切る瞬間(とき) 心の中で誰かを裏切るその瞬間(しゅんかん) 口から発せられない裏切りは 潔く喧嘩に発展することはない 裁かれぬままに人知れず 湿気と重々しさを落としていく 自分だけが知っている心の裏切り その深い足跡は やがて乾いて石となり 硬くその姿を保ち続ける ひび割れることなく 風化することなく 永久

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