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  • 悠冴紀

Rebirth


雪化粧を解いた露わな大地 氷を割りしだいた碧い大河 深い眠りから今 目が覚めた 己の鼓動に耳を傾け 内なる泉の脈を聞く 銀盤の空を仰ぎ見て 濃緑の翼を背中に開く ほとばし しぶき 迸る飛沫は何のためだったか ようやく記憶が戻ってきた 私はずいぶん長い間 眠っていたらしい 数多の偽装に覆われた大地から あるべき道が立ち現れる 大いなる矛盾の中で 選り抜いた相手の視界にのみ 見いだし、保存し、再確認してきた本来的なるものが 突如として今、目の前に…… 生誕の瞬間と変わらぬ息吹 失ったつもりで封じられていた元来の力 すべてはこの根に 今も宿る 何度となく死と再生を繰り返してきた大木の枝先で 自らを打ち破るがごとく 蕾が再び力強く弾ける 大きく広げた一対の葉は 我が翼 濃緑の血がどくどくと葉脈を巡り 陽射しを求めて 雲を貫く 地中に伸びる根は 我が手足 鉤爪のごとく先端を突っ立て 大地をがっしりと掴んで抱く 長い夜が 明けたのだ これが我が春 雪解けだ

※2013年3月の作品。 この詩は実は、かつてロタ・ウィルスで胃腸炎にかかったあと、回復して元の健康状態を取り戻しつつあるときに閃いた作品です。正確には、胃腸の具合がまだすっきりしないうちに、みなぎっていく意欲のみで仰向けのまま書き殴った(← 携帯メールで詩を作成したA^_^;))ものなので、作品としての出来栄え自体はビミョーなところがあったりします 💦 感覚的すぎて意味不明な描写や謎の比喩表現が満載のザッつい仕上がりですが、病み上がり第一弾ということで、そこは大目に見てやってくださいまし m(_ _)m ← これが物書きの発言かっ!?ヾ(-_-メ) それにしても、ロタ真っ最中の数日間は、病気というよりは毒を盛られたかのような異様な不調に振り回されて、食事もできず執筆もできず家事一つ手につかず、自他共に認める怪力女(笑)のこの私が、春物の毛布一枚すら重く感じられて、片づけられない始末でした ひたすら無力に寝込んでいるかトイレに駆け込んでいるかのどちらかで、廃人同然だったのです。 まあ実際、ウィルスが体内で毒素を撒き散らした結果なので、言葉通り毒にあてられていたわけですが、そんな日々を抜けてようやく身体に力が戻ってきたかな~、という頃、何故だか、それまで全っっく働かなくなっていた頭が、逆に猛烈に冴えてきて、高速回転で色んなことを閃き、色んな考えに整理がつき始めました 💨 どう表現していいのか・・・、まだ運動機能が本調子ではないというのに、気分的にはメラメラとエネルギーに満ち溢れていく感じがして、何やら10年分ぐらい若返ったかのような、不思議な活力が湧いてきたのです A^_^;) ロタのおかげで、充分すぎるほど休息(充電?)できたからでしょうか・・・??? それとも、自分が回復しても人にうつすリスクがあるからと、丸一週間も家から出られず隔離状態だったため、反動的に活動したくてたまらなくなってきただけでしょうか??? とにかく、ロタ後は「あれもやりたい!」「それもやってやる!」「これもできるぞ♪」と、何から何までやる気満々で絶好調! 執筆はノリノリだし、天気さえ良ければ用がなくてもホイホイ外出しまくるし、食欲は十代のそれだし(← これだけは喜べませんが・・・w)、家中をピッカピッカに大掃除して回るし、凝った 料理に挑戦しまくるし、あえて必要以上に遠回りをしてウロウロ歩き回るし(← 数年分の運動不足を解消する激しいウォーキング??A^_^;))、パワー倍増で力仕事がますます得意になったし、しばらくご無沙汰していた知人友人に積極的に連絡を取りまくるし・・・・・・。 わ、私に一体、何が起きたんだろう!!???? ってな気分でした (^^;)

私がロタで寝込んでいたのは、ちょうど今のように、冬の寒さが和らいで春らしい気候に移り変わっていく節目の時期に当たり、ウィルスのせいで無力に寝転んでいたとき、「ああ、外はあんなにもいい天気で、すっかり暖かくなってきたというのに、私は一体何をやっているんだろう・・・(T_T)」と、取り残されていくような虚しさを覚えていた記憶があるので、一足遅れで一挙に体感できるようになった芽吹きのエネルギーや春の陽射しに酔い、嬉しすぎて極端な躁状態(← ナチュラル・ハイ?:笑)に陥っていたのかもしれません A^_^;) いつもならむしろ、寒暖の差に負けて不眠症になったり風邪が治らなくなったり各種アレルギー症状に悩まされたりで、毎年一番元気のなくなる季節だけに、自分でも驚きでした。状況的にも、この時期は周りで困ったことばかり起きていて、なんら喜べる出来事など起きていなかったというのに、私一人で浮かれていた。。。σ(^^;) あるいはひょっとすると・・・・・・、 丸一週間相方以外の誰にも会わず、俗世間から完全隔離されていたことで、他の何ものにも意識を毒されないむき出しの自我が、長い眠りから目を覚ましたのかもしれません。当時副業で接客業をしていたために逃れようのなかった周囲への気配りや、知らず知らず人目を意識した立ち居振る舞い、筋違いな期待による自分像のイメージに縛られた不自由さなど、集団社会における一切の制約と己自身の偽装から解き放たれて。

(※ 作品中ほどに「大いなる矛盾の中で選り抜いた相手の視界にのみ見いだし、保存し、再確認してきた本来的なるものが~」というくだりがありますが、これは当時の私が、一部の気の許せる相手にのみ自分のすべてをさらけ出し、そういう相手の目と記憶を鏡代わりにすることで、己を保とうとしていたことを表しています。病気をきっかけに、人頼みにしてきたことを今一度自分自身で見つめ直して、向き合うことができた、と。。。) 自分という人間が本来どんなだったか、十数年ぶりにようやく思い出した。そんな気分でした。

・・・・・・え? それでなくても自我のかたまりみたいな奴だったのに、それでも自分を見失っているつもりだったのかって?

はい、そうですよ! 事なかれ主義で個性の突出を嫌い、どんなに間違っていても権威や長いものに巻かれる者だけが生き残っていける日本の気風の大きな流れの中で、この頃の私はこれでもかなり薄く(or 丸く?)なって、調子が狂いまくっていたんですよ f^_^;) 元々のキャラはもっとずっとギラギラしくて、ヒネリのきいたタイプだったんですから 💦 (↑ え? お前は自我を抑えまくって薄~く暮らす方が世のため人のためだって? そういえば、確か私自身も

それを最大の理由として自分の一部を封印したような憶えが… (;^_^A 元に戻しすぎると、マズイかも??? 💦)

それにしても、思いも寄らないロタ効果でした♪

何よりもの収穫は、やっぱり本業である小説の執筆が捗って、閃きが各段に良くなったことですね 🎉 二度とウィルス性胃腸炎になんてなりたくはないけど、自分の問題に気付いて出口へのヒントを見いだすには、

本当にいい薬になりました (^^;)

注)私の作品を一部でも引用・転載する場合は、必ず『悠冴紀作』と明記してください。   自分の作品であるかのように公開するのは、著作権の侵害に当たります!!


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