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悠冴紀のコトバの欠片
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終わりのない夢
おじさんは星を見るのが好きだった 夜が来るといつも 星たちに微笑みかけていた 陽の光が優しく注がれる初春の午前 斜め前の家の中 おじさんは夢の世界から抜け出せなくなっていた 発見したのは 訪ねてきたおじさんの弟 窓ガラスを割って家の中へ ...
悠冴紀
2016年4月10日


枯れた大地に
そこには楽園があった 知られざる楽園が 風にさざめく黄金色の森 世界を包む銀色の空 虫たちのささやかなコンサート すべては太陽のもとに── そこには楽園があった 知られざる楽園が そこですべては帰っていく ガラスの瞳は野生に帰り 発する音は大気に溶け...
悠冴紀
2016年2月17日
FUTURE
『前向きに生きる』は私のモットー けれど 前には何も見当たらなかった 目前の世界は まるで真空 ある日 アルバムが教えてくれた 私の正体 失敗する度記憶を切り捨てる 過去からの逃亡者 テストの間違い直しを怠る 落ちこぼれ生徒 ...
悠冴紀
2016年2月15日


君の道 私の道
本来なら私達は誰より多くを共有できる
真の友になれるはずだった
あの事件を機に2つに別れた
君の道 私の道
君のその道には今 何が見える? 激しく いがみ合い
激しく 罵り合い
各々の悪夢へと帰っていった
11歳の幼い胸に 同じ孤独を抱えたまま
君の
悠冴紀
2016年2月5日
「風」
風はいつも冷静で どんなにうまく自分を隠しても 思いのすべてを見透かしてしまう 風を冷たく感じるとき 自分は風より温かく 風を温かく感じるとき 自分は風よりも冷たい 風はすべての人間に平等に吹く 人がまるで檻の中で凍える獣のように冷たいとき ...
悠冴紀
2016年2月4日
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