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  • 悠冴紀

君の道 私の道


Illustration by David Cirese

本来なら私達は​​

誰より多くを共有できる 真の友になれるはずだった あの事件を機に2つに別れた 君の道 私の道 君のその道には今 何が見える?

激しく いがみ合い 激しく 罵り合い           各々の悪夢へと帰っていった 11歳の幼い胸に 同じ孤独を抱えたまま 君のその道には今 何がある? 他人に悪役を負わせるのが得意だった利口な君 赤裸々な態度で波風を立てるトラブルメーカーだった愚かな私 どっちもどっちだったね うまく大勢の同情を引いたけど 何一つ得られなかった君 汚名に更なるレッテルを重ね 色眼鏡で見られるようになった私 いい勝負だったね 今、その道には何がある? 本来なら私達は 誰にも及ばぬ良友になれたはず もっと早く気付くべきだった 君が他の友人たちから私を引き離そうとしていたのは 大きすぎる孤独が招いた独占欲の表れだと もっと早く気付くべきだった 君が私と同じように身勝手で強引だったのは 虐げられた幼心の裏返しだと 私達は似た者同士 同じ現実に怯えながら

同じ凶器を抱いていた 君の日常を脅かす者達を 私は見聞きして知っていたのに 私の日常を脅かす者達を 君は見聞きして知っていたのに 私達はお互いに余裕がなかった 自分のことで精一杯 真っ当なものを知らなかったから 狂った日常に疑問を抱かなかった もっと早く気付くべきだった 本来なら私達は 誰より近しい友になれたはずなのに 君のその道には今 何が見える? あれから私が歩んだ道は 親友たちとの接点を得た 自分を変える意義を見出せた 君は今も 孤独の操り人形? 君は今も 彷徨っている? 開けた空に 何が見える? 皆は今も思っているかもしれない 私が君を憎んでいると 君もそう思っているかもしれない それでもいい 私は祈ろう 遠く隔てられてしまったこの道で 魂の泉が見える沈黙の丘で 君の行くその道の先に 心の友との出会いがありますように 君自身が愛せる君になれますように 二度と君が自分自身を裏切らないように・・・

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※1995年(当時18歳)作。  小学生のときに喧嘩別れしてしまった友達(悪友??)のことをふと振り返って書いた詩です。  私と同じ、いや、それ以上に荒々しい暴力家庭に育った子で、誰もが恐れる悪魔のような子供だった当時の私σ(^▽^;)と、唯一互角にわたりあったガッツのある?女の子だった(←どっちも自慢になりませんが(汗))のですが、その後「この人たちに恥じない自分になりたい」と思えるような親友たちとの出会いに恵まれた私に対し、彼女のその後の消息を、私は知りません。  実は、私は10年近く前に実家から夜逃げをして行方をくらまし(←亡命事件発生?)、地元民から見るといわゆる『失踪者』の部類に入る身なので (;一_一)、同郷の同級生たちのその後の情報が、殆ど入ってこないのです(汗) 訳あって地元には近寄れないので、今はただただ、どこにいるとも知れない彼女の幸せを、こうして遠くから祈るのみです。  喧嘩しながらも憎みきれない相手で、色んな意味で良きライバルでした。 注)私の言葉を一部でも引用・転載する場合は、必ず『悠冴紀著「◎◎(←作品名やHPタイトル等)」』と

 明記してください。自分の作品であるかのように公開するのは、著作権の侵害に当たります m(_ _)m

----------- 💡 余談ですが、私は親友たちとの出会いでみるみる変わり、中学生活も半ばに差しかかる頃には、別人のように態度を改めていたので(←脱サイコ少女:笑)、生まれ変わったあとの私しか知らない知人友人は皆、私がかつてそんな情緒不安定の荒くれ者だったことなど、想像もできないと口を揃えて言ってきます(^_^;)  初対面の人たちから「お育ちが良さそう」とか「昔から誰にでも好かれてきた敵を作らないタイプ」とか「レールに沿って収まり良く生きてきた優等生タイプ」と勘違いされがちな、中身と正反対な外見 (^_^;) のせいもあるだろうけど(←実は、見知らぬ人にいきなり指差されて、「自分、純真そうやなー!」と言われたこともある:汗)、色々語り合った相手でも、私のことを、何やら理性的で感情に流されず、(豪胆な側面はあるけど)決して道を誤らない人、みたいなイメージで見ているようです(汗、汗、汗)  中学生中頃までのこととは言え、かつて誰より激しく道を外れ、自分を抑えられず人様に迷惑をかけてばかりいた愚か者だったからこそ、切実に自分を制御する必要に駆られて理性を鍛え、結果的に一応の落ち着きを得たというだけのことなんですけどね……。過去の汚点は一生消えないし、決して誇れたものではない (;一_一) 害獣みたいなヤツだったのが、自ら封印の抑え蓋を見つけてきた、それだけのことなのです、ハイ f^_^;)


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心の裏切り

鏡の奥に堪えがたい醜さを覚る瞬間(とき) それは誰かを裏切る瞬間(とき) 心の中で誰かを裏切るその瞬間(しゅんかん) 口から発せられない裏切りは 潔く喧嘩に発展することはない 裁かれぬままに人知れず 湿気と重々しさを落としていく 自分だけが知っている心の裏切り その深い足跡は やがて乾いて石となり 硬くその姿を保ち続ける ひび割れることなく 風化することなく 永久

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