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悠冴紀のコトバの欠片
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詩『それでも我等は・・・・・・』
我等は多くの主張を生み出し 多くの主張の亡骸を見る それでも我等は生きている それでも我等は生きていく 我等は何かを求めて闘って 求めた何かに裏切られる それでも我等は生きている それでも我等は生きていく 怒りと嘆き 絶望と虚脱 ...
悠冴紀
2019年8月10日


遥かカナダに想いを馳せて
帰りたい あの場所へ すべてを置き捨てて 帰りたい エメラルドグリーンの湖と 歴史を物語る鮮やかな地層 透明な風と 深緑の針葉樹 生まれて初めて 憎しみを忘れた 生まれて初めて 疑いを忘れた 帰りたい カナダへ ...
悠冴紀
2019年5月3日


救 済
私が最も救いを期待したとき 求めた救いは私に背を向けた たぶんそれで良かったんだ おかげで私は立ち方を覚えた 自分で考える機会を得た 私に最も救いが必要なとき 私はもう救いを期待しなくなっていた たぶんそれで良かったんだ おかげで私は歩き方を覚えた...
悠冴紀
2019年1月17日


詩『私の中のラグナロク』
貴女は私のすべてだった 過去の私にとってのすべて 家族愛に恵まれなかった私の 家族代理 導く者を得なかった私の 教育者代理 欠落の多い私の半身を担う 自己代理 すべてを共有できた 絶対の親友 貴女一人いれば 他には誰も要らなかった 〝貴女に愛される人間〟を目指し...
悠冴紀
2018年12月28日


巡礼~廃墟の蛍
荒野から荒野へ
廃墟から廃墟へ
誰も訪れなくなった場所を訪れ
乾いた風景を眺め歩く
そこはかつて川のあった場所
あとから塗り込められた灰色のコンクリートも
今は朽ち果て さながら墓地の佇まい
川辺を舞っていたあの蛍たちは
一体どこへ消えたのか・・・
二度とは戻らぬ夏の灯火
悠冴紀
2017年6月17日
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