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悠冴紀のコトバの欠片
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詩『曼珠沙華』
作:悠冴紀 赤い大地 血のような 炎のような 曼珠沙華が咲き誇る 鮮やかな赤 毒々しくも繊細で 雨ざらしの野に 凛と伸びる 曼珠沙華が萌える 混沌の記憶の中に 血のような 炎のような 一面の赤 ―― 無彩色の季節を越え 今 再び 懐かしいような 初対面のような...

悠冴紀
2016年9月23日


詩『オーロラの宿る場所』
傷を秘めてきた君に 贈りたいものがある 心の一端を見せてくれたお礼に オーロラを贈ろう そう、夜の終わりを告げる あの謎めいた曙の光だ 虹ほど馴染みやすくはないけれど 恐れる必要は少しもない あれは空の贈り物 そして夜を耐えた者の中に 色彩豊かに宿るもの ...

悠冴紀
2016年2月29日


詩『幽 霊』
誰も私を見ないでくれ
誰も何も期待しないでくれ
君等の理想は幻だ
真の私は そこにはいない
誰の目にも留まらず
誰の記憶にも残らず
触れることもできない存在になれたなら・・・
そう、
君がしたのと同じように
私も世俗の一切を締め出したかった
あらゆる人々の視界から
消えてし

悠冴紀
2016年2月28日


詩「雪の記憶」
作:悠冴紀 雪を見るたび 私はいつも 何故だか君を 思い出す 君の喪失は受け入れない 受け入れられるわけがない だがこの悲しみは 引き受ける あえていつまでも 悼み続ける 忘れるつもりなど更々ない 君との日々も その別離さえも たとえそれが楽な道でも...
悠冴紀
2016年1月19日


詩『モノ~無機質のユートピア』
人は何にでも慣れるという
苦痛にも 恐怖にも 悲しみにも
少しでも楽になろうと望むあまり
己の感情を麻痺させる
確かに人は慣れていく
富にも 貧困にも 死臭にさえも
馴染んではならぬものもあるとは考えもせず
強さと信じて 慣れていく
人は自分で思うほど器用ではない
これほど

悠冴紀
2015年11月26日
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