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悠冴紀のコトバの欠片
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風の泉
ライン川のほとりで 人知れず傷付いた足を癒すライオンを見た ナイル川のほとりで 人知れず涙を拭う隼を見た ボルガ川のほとりで 人知れず疲れた翼を休める鷲を見た 望んだ勝利を得た果てに 「独り」という代償の重みを知り 目指した理想の向こう側に ...
悠冴紀
2019年2月2日


救 済
私が最も救いを期待したとき 求めた救いは私に背を向けた たぶんそれで良かったんだ おかげで私は立ち方を覚えた 自分で考える機会を得た 私に最も救いが必要なとき 私はもう救いを期待しなくなっていた たぶんそれで良かったんだ おかげで私は歩き方を覚えた...
悠冴紀
2019年1月17日


詩『私の中のラグナロク』
貴女は私のすべてだった 過去の私にとってのすべて 家族愛に恵まれなかった私の 家族代理 導く者を得なかった私の 教育者代理 欠落の多い私の半身を担う 自己代理 すべてを共有できた 絶対の親友 貴女一人いれば 他には誰も要らなかった 〝貴女に愛される人間〟を目指し...
悠冴紀
2018年12月28日


親 友
自分に何をしてくれるか 自分にどんな利益をもたらすか そんな選び方はしない 恩人は皆親友? 得るものが無くなったらさようなら? そんな浅はかな判断はしない その生き方が その意志が その欠点さえもが 私を魅きつける 一緒に生きたいと思う 喜びを...
悠冴紀
2018年11月22日


夜 風
涼やかな夜風がカーテンを揺らし
祭りに賑わう人々の声を運んでくる
遠いどこかから微笑ましげに
夢を抱きしめる子供たちの声
夢を思い出した大人たちの声
遠くに灯る屋台の明かり
やがて街は眠りに就き
夜風が余韻を運んでくる
微かに残る声の木霊を吸収して……
悠冴紀
2017年7月14日
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